

ショーメ(CHAUMET)フランス 創立1780年
略歴
1780年、宝飾職人のエティエンヌ・ニトはサントレーノ通りに小さな宝石店を開業。ある日、店の前で一台の馬車が暴走し、それを目撃した店員たちは馬を取り押さえ店主は一行をもてなします。店主はエティエンヌ・ニト。助けられたのは、まだ青年将校だったナポレオン・ボナパルトその人でした。ナポレオンは深く感謝し、礼をすることを約束。その約束はナポレオンが皇帝になり、その戴冠式に用いる宝冠の製作を依頼するという、素晴らしいかたちで果たされたのです。
フランス王家に伝わる有名な140カラットのリージェント・ダイヤモンドとカメオを細工した気品高い冠と剣は、ナポレオンの信頼を勝ち得るのに余りある出来栄えでした。以来、次々と注文を受けることになり、ローマ法王ピウス7世のための法王冠、オーストリアのマリー・ルイーズ皇女との結婚に際してのウェディング・ジュエリーの創作など、後世に語り継がれる見事な作品を生み出してゆきました。上流貴族たちが競って装身具の発注を出すようになり、ニトの店は日の出の勢いで発展。1830年、王室御用達宝石商となり、パリ筆頭の宝飾店に登りつめたのです。
1885年、ジョセフ・ショーメが後継者になった時に、現在のショーメを名乗るようになりました。1890年〜1914年にかけて、ショーメはインドのマハラジャ王侯たちのために多くの仕事をしています。世界の高級宝飾店が集まるヴァンドーム広場に最初に店を出したのはショーメです。1907年、ショーメはヴァンドーム広場12番地に店を移します。1980年、創立200年を記念してその隣にショーメ美術館を開きましたが、その店はグランサンク(世界五大宝飾店)の一つです。
代表的な商品
- CLASS ONE
- ABC・de・Chaumet
- リアン・ドゥ・ショーメ
- アノー
- プリュム
愛用しているセレブ
- マリー・ルイーズオーストリア皇女、カトリーヌ・ドヌーブ、ソフィー・マルソー、オーレリー・デゥポン、他
リアンなどの低価格帯のデザインにもフレンチブラントらしいエレガントな品があります。中石のある一品物はさすがにフランス王室御用達宝石商を誇る品質。1999年にLVMHモエ、ヘネシー・ルイヴィトングループの傘下となったショーメは国際的ブランド力や絶対的な品質の自信に裏打ちされた販売戦略で、ますます日本の市場に攻勢をかけました。
LVMHとは
ドン・ペリニョンで有名なモエ・ヘネシー社とヘネシーコニャック社という2大アルコールブランドが合併して作られた会社。ルイ・ヴィトンを買収したのは1987年で、以後も様々なブランドを吸収し、15年間で世界一の巨大ブランド産業に成長。グループの会社には蒸留酒部門にヘネシー、モエ・エ・シャンドンャン、ヴーヴ・グリコ・ボンサルダン、クリュッグ、ポメリー、メルシエ、ルイナール、シャトー・ディケム、ハイン。高級化粧品部門にディオール、ゲラン、ジバンシィ、ハード・キャンディ、ケンゾー、ベネフィット、メークアップ・フォーエバー、アーバン・ディケイ、フレッシュ、プリス。時計貴金属部門にタグ・ホイヤー、エベル、ゼニス、ショーメ、フレッド、オマス。ファッション・レザーグッズ部門にルイ・ヴィトン、ロエベ、セリーヌ、ベルルッティ、クリスチャン・ディオール、ジバンシィ・クチュール、ケンゾー・クチュール、クリスチャン・ラクロワ、エミリオ・プッチ、フェンディ、ダナ・キャラン、トーマス・ピンク。セレクティブ・リーディング部門にDFS、ル・ボン・マルシェ、セフォラ、マイアミクルーズライン、ラ・サマリテーヌ。現在、LVMHグループは全体の売り上げが約1兆5665億円(2003年)といわれる超巨大企業。